刺し身など「生」で魚を食べる機会が多い日本の食文化。
そんな中で気をつけたいのが、増加傾向にあるアニサキスによる食中毒です。
衛生環境の整っている現代日本では、「寄生虫」は縁遠いものかと思われているかも知れませんが、すぐ身近に潜んでいて、ペットを苦しめる原因にもなり、また、私たち自身も手術が必要になる恐れもあります。
今回は、お刺身やお寿司が好きな日本ならではといえる寄生虫「アニサキス」の予防を、愛玩動物保健衛生士と確認していきましょう。

2023年報告の食中毒症例の42%を占めたアニサキス症

一度は聞いたことがあるかもしれない、そしてもしかしたら罹ったことがあるかもしれない「アニサキス症」。
このアニサキスとは、線虫と呼ばれる糸のような体つきの寄生虫です。
その幼虫をアニサキス幼虫と呼ぶのですが、長さは2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。

アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生するのですが、この幼虫が寄生している魚介類を生で食べたり、不十分な冷凍または加熱したものを食べたりすることで、 アニサキス幼虫が人の体内へ入り食中毒を引き起こします。
これを「アニサキス症」というのです。

アニサキス幼虫は体内に入った後胃酸では死なず、胃や腸の粘膜に頭を突き刺して暴れまわり、激しい腹痛やアレルギー症状を起こし、ひどいときには消化管の壁を食い破って腹腔へ入り込んだ症例も存在してそうです。

聞くだけでお腹が痛くなるような・・・・・。
もちろん犬や猫でも同様の症状が見られるそうですから、ペットにお刺身などをあげることは控えた方が良いでしょう。

アニサキス症の予防

このアニサキス症の予防には、まず、新鮮な魚を選ぶこと!
そして速やかに内臓を取り除くようにしましょう。

これは、アニサキス幼虫の特性として、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが報告されているためです。

もしご自身で内臓を取り除くことが難しい時には、スーパーなどの鮮魚コーナーでお願いすると取り除いてくれることがありますからお願いしてみましょう。
そして、内臓を生で食べることは避けましょう。

最後は「目」で確認して、アニサキス幼虫がいる場合には除去することです。
以前は、お酢や塩で漬けたり、しょうゆやワサビを使ったりするとアニサキス幼虫は死ぬ、と言われていたようですが、実際は死滅しないそうですから注意してください。

寄生虫は「予防」することが一番!
私は幸いにしていまだアニサキスの襲来にはあっていませんが、今後もしっかり予防していこうと思っています。

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