暑くてじめっとした天気が続いていますが、皆さん体調を崩していませんか?
とくに、お腹の調子が悪い方。
もしかしたら、食中毒かも知れませんよ!
この時期とくに気をつけたいのが、食べ物が傷んだことによる食中毒。
その中でも、近年報告例が増加傾向にあるという「カンピロバクター(キャンピロバクター)」について愛玩動物保健衛生士より簡単にご紹介していきます。

カンピロバクターとは

カンピロバクターは、ニワトリやウシといった産業動物をはじめ、ペット、野鳥、野生動物などあらゆる動物が持っている細菌です。

人への感染は、カンピロバクターに汚染された食品や飲料水の摂取、動物との接触によって起こります。
鶏肉からの感染例が多く、そのほとんどが生や加熱不足の鶏肉を食べることによって発生しており、中には、ペットの子犬から感染した例も報告されています。

よく耳にするノロウィルスによる食中毒に次いで、このカンピロバクターが原因の食中毒が多く報告されています。

感染した場合の症状

人の場合、カンピロバクターによる感染性胃腸炎の症状は、ほかの食中毒症状と同様に、下痢、腹痛、おう吐など。
ただし、特徴的な症状として、頭痛などの中枢神経症状がある、といわれています。

また、潜伏期間が1~7日間とやや長いことも特徴です。
ノロウィルスの潜伏期間である1~2日(24時間~48時間)と比べても、長い印象を受けるでしょう。

患者の多くは1週間程度で回復し、死亡例や重症例はまれですが、他の感染症同様に、子どもや高齢者、その他抵抗力の弱い人は重症化する可能性が高いので、注意が必要です。

また、ごくまれに、カンピロバクター症に感染したことがきっかけとなって運動神経が障害され、感染の数週間後に手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する人がいることが明らかとなっています。

人以外の動物では、前述の通り、ニワトリ、ウシ、などの産業動物及び犬、猫などの小動物にも保菌が確認されており、多くの場合、無症状ではあるものの、子犬、子猫、ハムスターでは下痢を起こすことが報告されています。

感染を防ぐために

カンピロバクターは普通の加熱調理で死滅するので、食肉は加熱を十分に行うと同時に、生肉に触れた手や調理器具による二次汚染にも注意しましょう。

犬や猫のごはんに、トッピングとして鶏肉などを茹でて与えている飼い主は多いと思います。
しっかり加熱して、お互い食中毒で苦しむことがないよう、気をつけていきましょう!

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